余命宣告    

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三月になった
朝一番でカレンダーを思いきり剥いだ
元気の証のように

取引先の社長さんが入院しているのでお見舞いに
ついでに私の薬も貰う
病室に行こうと思ったら談話室まで来てくれた
一見すごく元気そうで足取りも普通に力強い
午後から今後の治療方針を担当医から説明があるという
お腹の傷を見せながら余命一年と宣告されてると聞かされた

成人に達した息子さんが後継者になるものとばかり思っていた
去年の暮れに離婚をしていたという話
息子と娘の二人の子供は別れた奥さんの連れ子
再婚してから二人に子供はもうけなかったそうだ

病院の一室で身の上話を聞く羽目になるとは思いもしなかった

社長さんは両親を早くに亡くし先代の社長の兄も5年前に同じ病気で亡くなっている
「DNAの悪戯もこれ又運命だ」と寂しく笑った

親戚縁者もないので午後の説明には離婚した奥様に頭を下げて頼み込んだとか
私にできることがあれば何でも手伝うからと言うのが精いっぱい

今の会社はどうするのか心配もあるけど社長がやりたいようにケジメをつけるのが一番だろう
残す相手も譲る人も見当たらないなら自分の手で閉めるしかないしそれが気楽でいいわと笑う

複雑な気持ちで病院を後にして亡夫の墓前に手を合わせてきた
by ibakasumi60 | 2013-03-01 16:47 | Comments(2)
Commented by korei at 2013-03-01 20:15 x
この記事、社長さんの人生に思いを馳せて何度も読み返しています。全く知らない人ながら、他人事とは思えず、胸が詰まる感じがします。人はみな死ぬときは自分一人の死を死んでいきますが、第3者から見ると、身近な家族に見守られていない場合は特に,寂しい死に思われますね。でも社長さんがおっしゃるように、「残す相手」も「譲る相手」も見当たらないのであれば、却って気楽、というのもあり、かも知れません・・ そこまで達観出来れば、の話ですが。この社長さんも、そう言いながらも、達観しきれない故の寂寥感を漂わせていらっしゃるのでしょう。とはいえ、余命1年と宣告されていながら、「一見すごく元気そう」に出来るとは、(たとえ人前だけ、だとしても・・)強い精神力を持っていらっしゃるからでしょうか。私だったら、取り乱して恥も外聞もなく喚いたり憔悴したり、になりそうです。
 この社長さんにとって、お見舞いにきてくれたブログ主さんに話を聞いてもらったのは、とてもとても貴重なひとときだったのは間違いないと思います。
Commented by ibakasumi60 at 2013-03-02 23:47
知らなきゃ良かった
聞かなきゃ良かった
行かなきゃ良かった
我の心の弱さに本気そう思いました
聞いたゆえの辛さが我が身を襲うのでした

病を抱え治れぬ身を持て余す社長の心中を思うとこちらも辛いです
立場が逆だったらと思うと息が詰まりそうです
誰でも直面する道でしょうがまだまだ修行が足りないのかな

貴重なお言葉を有り難う御座いました
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