2017年 10月 25日 ( 1 )

164通の真実  

押し入れの整理をしていて今日も目がいった箱。
紐をほどいていつの間にか中身に目を通していた。

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今日こそは処分しようと思って出したはずだったのにダメでした。
今日も捨てるという決断が鈍りそっとあった場所に戻したのです。
そこは押し入れ戸袋の一等席。

私たち夫婦は結婚するまで遠距離恋愛を貫きました。
茨城と山形という遠距離です。
会えない間はいつも郵便局の世話になって想いを届けてもらいました。
10円の切手が20円に変わり時代も進化します。
中には速達便も紛れていました。
時代の分だけ封筒も便せんも黄ばんでいた。
全部で164通の手紙が箱の中に詰め込んであるのです。

以前もうひと箱あったけど主人が亡くなって処分してしまったのでした。
途中で手が止まり捨てることも出来ずこの箱だけ残しておいたのです。

相手はもういないのに消せないシミのようにどっしりと心の中にへばり付いています。
思い出を消したくないから二人の絆の証拠品のように大事にしまいました。
箱の中には何文字の思いが詰まっているのだろうか。

何通か読み返したらお正月に浅草に行ったこと・箱根に行ったことなどが書いてあった。
すっかりと忘れていることも多い中結婚が決まった時に式までの間同棲しようというドッキリする言葉も有った。
一緒に暮らし始めたのは結婚式の前一か月からでした。
荷物の整理や式の準備のため一緒に住み始めた思い出が懐かしい。
3月29日からは正式な夫婦として寝食を共にするのでした。

遠距離恋愛とはどんなものだったのかと振り返れば楽しかったよ。
結婚という話が進んだ時には何時でも一緒にいられる喜びに心が沸き立ちました。
23歳の若かった私です。

金婚式を楽しみにしていたはずなのに結婚37年で逝ってしまった旦那様。
置いて行かれた私の人生は思い出に助けられて生きているとも言えます。

今思ったけど手紙は全部手で千切って開けていた。
ハサミがなかったわけでもないのにまるで焦って封を切っていたかのように。
少しでも早く中身が見たかったのでしょうね。
若かったあの時の感情が懐かしいな。

チョット涙ぐみながらあの頃の思いに耽ってしまいました。
次にあの箱を開けるのは何時だろうか。

ケジメも大事だと思うんだけどなかなか思い切りの悪いお婆です。
それにしても何でこんなことまで書くんじゃろうかね。



振り返れば同じ苦しみを味わった私。
by ibakasumi60 | 2017-10-25 08:10 | 趣味 | Trackback | Comments(10)